自動車整備士のやまじんです!今回は車のキズ・凹み修理についてアドバイスをしていきます。
車のキズ・凹み セルフ修理する前に知らないと後悔する重要事項
YouTube動画やホームセンターの商品PR動画を見て、今から自分で車のキズ・凹み修理をしようとお考えなら、後悔しない為に以下のリスクがある事を良く理解してから自己責任で作業する様にして下さい。また最近はブレーキサポート付きの車等、メーカーから修理自体が認められていない箇所がありますので、あなたが修理しようと思っている損傷箇所がメーカー指定の修理不可範囲に該当しないか良く確認しましょう。
セルフ修理のリスク
- 下地処理(パテ、サフ)の段階でサンディングペーパーやコンパウンドでキズを広げてしまう。
- 損傷箇所以外に塗装が付着する。
- 外観の美観を損なう(ツヤが無くなる、ムラになる、塗装が垂れる、色がズレる)
- 失敗してから業者に修理を依頼すると余分なパテや塗料を落とす作業が必要となるので修理代が更に高くなる。
- かけた材料代や時間の割に酷い仕上がりになる。(何もしない方がまだマシ)
- 運行補助装置装備車はブレーキシステムや後方接近警報システムの誤作動の原因となり、思わぬ事故に繋がる。
運行補助装置とはフォワードカメラやミリ波レーダー、赤外線レーザー等を単体又は併用して前方の障害物を検知し、衝突事故等のリスクを軽減する装置の総称です。
まだ車両価値の高い高年式車や運転補助装置等が装備されている車の場合は絶対にセルフ修理はやめましょう。
後方接近警報装置付き車両のバンパー修理は要注意!

特に後方接近警報装置付きの車のバンパー等はセンサー感度に影響を及ぼすのでメーカーの修理要領書では修理自体を認めていないケースもあります。その場合は交換するしかありません。判断がつかない時は信頼出来る自動車整備工場にご相談して下さい。
運行補助装置が装備されている車の修理を依頼する場合
全ての自動車整備工場がこの運行補助装置が装備された車両の整備を出来る訳では無いので、必ず特定整備認証を取得している工場を選びましょう。
現在は分解整備認証から特定整備認証への移行猶予期間中(経過措置期間中)ではありますが、運行補助装置付き車両の整備については、センサーに影響を及ぼす作業(バンパー、フロントガラス、センサー類の脱着、交換等)は国土交通省が認可した整備工場でなければ違法となります。
仮に未認証工場の修理に不備があり、それが原因で事故が発生した場合に、あなたが修理した工場側に賠償請求をしても受託者保険等の支払い対象外となります。そのため自動車整備工場に支払い能力が無ければ、あなた自身が不利益を被る可能性がありますので、その点に留意して整備工場は選んで下さい。
そもそも、こういった先進安全自動の整備について理解出来ていない未認証工場も存在しますので気をつけましょう。
それでも自分でキズ・凹みを修理したい!
リスクを理解した上で、それでもセルフ修理する場合は特定整備に該当する内容か事前に調べて、運行補助装置に影響を及ぼさないか確認した上で行って下さい。
リスクを軽減する方法
- 小さなキズの場合はコンパウンドで軽く磨いてみる。キズが残る場合はタッチペンで筆塗りだけする。
- サンディングペーパーを使用する場合はキズの周りをガムテープで囲って修理箇所以外にペーパー傷を付けない様にする。
- スプレーする場合はマスキングテープ、マスキングペーパー(新聞紙)で広範囲を養生する。
- スプレー塗装前に養生した紙に塗装して、腕の動き(横移動の速度)と塗り重ねの目安(一度目に塗った範囲から1/3〜1/2程度下へずらして塗る)パネルまでの距離感を確認しながら何回か繰り返しイメージトレーニングする。
- クリア塗装のスプレー缶はベースが綺麗に塗れてから購入しても遅くない。ベースコートの時点で断念するケースが多い。
- 塗装剥げの無い小さな凹みは自分で修理するよりデントリペアが出来る業者に頼むのがコスト的に良い。近くにデントリペア業者がいない場合はネットやカー用品店で簡易なデントツールを購入してセルフ修理する。(使用方法は簡単です。)
- プレスラインやパネル端部は簡易デントリペアでは困難なので諦める。パネル端部は無反動ゴムハンマーで叩き出す。
セルフ修理は断念して修理を依頼する場合
車体整備(鈑金塗装)は高額修理になるので誰でも安く直したいと思っています。今頃は車のキズ・凹み一括見積りが出来るサイトもありますのでそちらを利用されるのも良いでしょう。また信頼出来る整備工場とお付き合いがあれば、そちらに依頼するのが一番です。
整備工場選びのポイントは?
- 特定整備認証を取得している。
- 自社で鈑金塗装をしている。
- 事前に見積書を提示してくれる。
- キャッシュレス決済に対応している。
- 工場内が整理整頓されている。
- 家族、友人、知人からの評判が良い
色々と条件はありますが自分が納得出来る事が一番大事です。車の価値やどのぐらい乗り続けるのかを考慮して後悔のない選択をして下さいね。
自動車整備士やまじんブログではカーライフに役立つ情報を発信していきますので、これからも応援宜しくお願いします。最後までご覧頂きありがとうございました。

